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国際協力NGOの活動って、いろんな形があると思うんだけど、現地でどのような体制で活動を展開するか、という点について、3つに分類して整理してみました。

必ずしもすべてがこの3つで分類されるわけではないと思うんですが、おおむねこの3つに収まるかと思います。

超ざっくりですが、各分類の概要とメリット、デメリットをまとめています。
活動を展開するにあたり、この部分はかなり大事。

どの形をとるかで、事業のすべてのオペレーションが変わってきます。
人材採用や財務、事業管理などなど、その影響は多岐にわたります。
どの形を、どんな戦略をもって選択するのか、というのは団体の重要な戦略となります。

日本人トップ直営型


概要

日本から派遣された日本人トップが現地プロジェクトの人事、財務、プロジェクト実施などすべての責任をもち運営するやりかた。

日本人的やり方できめ細かな事業管理が可能になったりします。誰をどのタイミングで採用し、どこに配置するか、何をどの業者からいくらで買うのか、などの細かなオペレーションが可能になります。

メリット

日本人が実施したいプロジェクトや経営方法、管理、人事を優先できます。また、外国人(=日本人)がトップだと現地社会から信用を得やすいことが多々あります。例えば、現地の人からすると、日本人がトップであるということで、資金の持ち逃げや詐欺のリスクが低いと認識されるようです。偽物の提案書などをもって実体のない支援事業を提案してお金を集める詐欺なども、中にはあるんですよね。

デメリット

日本人が人事や調整に忙しく、駐在員の精神的葛藤が多いです。現地スタッフの待遇改善交渉の対応や人事評価などに駐在員が忙殺されることが結構あります。本来であればもっと事業の本質的なことに取り組みたいのに、トップが管理業務に対応せざるを得ないというのは、よく聞く話です。

また、日本人駐在員は一般的に2、3年ごとに変わるため、方針が一定でなかったり、徐々に現地人スタッフの年齢や能力と日本人駐在員との間に差が生まれたりします。駐在員は20代~30代前半のスタッフが配置されて数年ごとに交代するので、都度細かな方針は変わってしまったりしますし、現地スタッフはどんどん熟練していくので、新しく配置される駐在員との間の能力や経験、知識の差が開いてしまうのです。

現地スタッフ給与のコスト高が進み、日本人への依存が強まる結果、プロジェクトからの撤退が難しくなることがあります。基本的に職員は事業が終了すると雇用も終了するので、できる限りプロジェクトを終了させずに日本ありきのプロジェクト設計に力学が働くことがあります。

現地人トップブランチ型

概要

雇用された優秀な現地人スタッフがトップとなり、運営する組織。人事、財務の権限はあるが、最終的な権限は日本事務所にあります。

メリット

現地を熟知するトップにより運営され、また人脈も長年培われたものがあるため、より現地に密着したプロジェクトや組織運営が展開されます。日本人駐在トップ型に比べて、日本人のストレスが減るという側面もあります。

デメリット

現地人トップの組織の独占化、ワンマン化、形骸化が進むケースがみられます。日本事務局と適切な緊張感と不正やワンマン化防止の仕組み必要となります。

同時に、現地スタッフ給与などのコスト高がさらに進む傾向があります。プラスではこの形態をとったことがないので、聞いた話になってしまいますが、そのような声はよく聞かれます。給与を上げなければ採用が難しいという判断をトップがすることで、比較的容易にコスト高が進むケースがあるようです。

自分の職やポストにこだわりが強くなります。これは国際協力かかわらず、多くの組織でそうかもしれませんが…。
また、駐在型と同様の理由で、プロジェクトからの撤退が難しいです。

パートナー型

概要

現地の団体に、プロジェクト費用を渡し、パートナー団体が実施を行う方法。日本人は報告を受けること、事業立案、モニタリング、評価の一部に関わります。予算は日本事務所により決定されるが、人事、財務の詳細には関わりません。
ただし双方の権限は契約書などで確認し、その内容は多様です。例えば採用に当たっては縁故採用不可とするなどは、よくあります。
日本人の事務所はあってもいいし、現地事務所を少数の日本人スタッフでまわしパートナーと協働すことも可能。また、定期的訪問でも可能です。

メリット

現場をよく知る現地パートナーとともに事業立案することで、より現地に密着したプロジェクトや組織運営が展開されやすいです。また、現地パートナーの持つ地域のネットワークを生かすことができます。

駐在型のような日本人のストレスは減ります。
コストが下がる場合もありますが、そのやり方によってはあまり変わらない場合もあります。コストが駐在型よりもかかる、ということはないでしょう。
一般的には事業ごとでの契約のため、プロジェクトからの撤退がしやすくなります。また、プロジェクト数が多くなるのも特徴です。

デメリット

日本人の実施したいプロジェクトや経営方法、管理、人事が優先されないため、その点のストレスを感じることがあります。例えばモニタリングの際の質問のトーンやマナーの統一がむずかしかったり。当然ですが、日本人が詳細に関わることが難しくなります。

寄付者への報告のために写真を撮る、となった場合にも日本人が「見たい」と思う風景やシチュエーションを、現地パートナーが感覚的に理解することが難しいこともあります。現地の人にとって当たり前すぎる風景が、日本人には珍しかったり、って、まあよくあることですよね。

また、会計や事業実施における不正を防ぎにくい側面もあります。不正の抑止として、会計書類などを必要に応じて日本の団体が確認できるよう、契約書に明記するケースも結構あると思います。

日本の団体が資金提供以外の価値を提供できないと、そもそも対等なパートナーシップを組むことができません。対等であろうとすれば、日本の団体側に、それ相応の強みが求められ、すなわちプロジェクト評価の力や戦略性がさらに求められます。資金だけであれば、「資金提供者」になりますからね、それ以上の価値、強みを持っていなければなりません。
また、ODAの詳細な会計報告を嫌がる傾向があります。他国の支援に比べて、日本の会計報告は細かいレギュレーションがあり、結構嫌がられます。信憑書類は日本へ送る必要があるのですが、そもそも現地の会計に関する国内法で持ち出しがグレーなケースもあったりして、、、。


ということで、いかがでしたでしょうか。
ちなみに私が代表を務めるプラスでは、パートナー型をとっています。
どのような戦略の上にパートナー型の事業展開があるのか、別途書いてみたいと思います。


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