一応これも書いておきます。NGOで働くスタッフとして、一NGOの代表として、これはいただけない状況です。

5月の首相記者会見で安倍首相が、こんなパネルを持出したのをご存知でしょうか。
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via 平成26年5月15日安倍内閣総理大臣記者会見

日本のNGOやPKO要員に武装集団が攻撃した場合、PKO参加中の自衛隊部隊は駆けつけ警護できない、これではいけない。集団的自衛権行使を容認していこう、というロジックです。

ですがここにはたくさんのごまかしがあります。

そもそもPKOが国連と共に活動するNGOを守るのは正当防衛。国連なんだから自国民を優先的に助けることはできません。

これは紛争解決請負人、紛争屋として有名な伊勢崎賢治さんが指摘されています。

この図では、日本のNGO職員や日本職員に対して、武装勢力が攻撃したときに、自衛隊員――ブルーヘルメットをかぶっているので、国連PKO部隊ですね――が駆けつけ警護をできない、それでいいのか、という議論ですよね。これは、根本的におかしいです。

国連職員や、国連と提携するNGOを敵から守るのは、正当防衛の話になります。ぼくは、国連PKO部隊を統括したことがありますが、これは当たり前の認識です 

議論すること自体が国連ではタブーです。国連なんですから、自国の人を優先的に助けることはできません。ですから、日本のNGOを守ろうというこの図自体が、国連の感覚からするとすごく不謹慎です。 
via 「集団的自衛権」のリアル――自衛隊の戦略的活用を考える 伊勢崎賢治×柳澤協二(シノドス)

自衛隊が武力行使したらNGOが紛争に巻き込まれる危険性が高まります。

紛争地で「中立性がある」と認識されてきた日本。自衛隊が活動し、さらに武力行使でもしてしまったら、この「中立性」という認識は崩れ去ります。
その先は、想像に難くないですよね?攻撃のターゲットになってしまう危険性が非常に高くなってしまうわけです。

これはペシャワール会の中村さんが指摘されています。
集団的自衛権:NGO、駆け付け警護に危機感 毎日新聞

NGO職員の誘拐事件はほとんどのケースで「警護」でなく「交渉」によって解決されています。

これはJVCさんが指摘されています。アフガニスタンではNGO職員の誘拐事件はほとんど交渉によって解決されており、「駆けつけ警護」は選択肢としては現実感がなく現場の感覚からしたらずれているわけです。リアリティのかけらもないわけです。

 集団的自衛権をめぐる論議に対する国際協力 NGO・JVC からの提言 
―紛争地の現実を直視し、武力行使で「失うもの」の大きさを考慮した議論を求めます― 


ということで、安倍首相。集団的自衛権行使容認の議論で、NGOを持ち出してごまかして説明するのはやめていただきたい、とお願い申し上げます。