こちらは、ビックイシューさんにて講師をさせていただいた講演記録より一部編集してお送りします!
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そもそも、NPOにとっての「外部リソース」ってなんだろう、ということを考えてみます。

「支援者」のなかには、寄付している人もいれば、ホームページを見ただけの人もいらっしゃいます。
プラスでは、団体にかかわる様々な方を洗い出しています。

組織内部だと、ボランティア運営スタッフが10人くらい。通年通して団体の運営に関わるようなボランティアで、意思決定権をもっている人たちです。

他にもインターン生が常時5人くらい。あとは元インターン生で、今もときどき関わってくださる人たち。アドバイザリーボードもつくっていて、有識者の人たちが5名いらっしゃいます

他には、PLAS-tic LAboというプロボノチームに17人が登録しています。それ以外にも、プロボノの方々が6名くらいいらっしゃいます。

団体には直接関わらないけれど、イベントに参加した人が1,800人くらい、現地のワークキャンプ参加者が160人くらいの方々がいます。メルマガ登録者1,600名ほどです。

目に見えない資源みたいなところでは、SNS上のインフルエンサーのつながりがありますね。10人くらいの影響力がある方とつながっています。

あとは著名人協力者、わかりやすくいうと芸能人の方ですね。長期で関わってくれる人が10名ほどいらっしゃいます。

ツイッターのフォロワー、Facebookページの参加者、ホームページの訪問者も洗い出しました。

まずは団体として、今どのくらいの人が関わっているのかを洗い出すといいと思います。そこから自分たちの強みや弱みが出てくると思います。PLASだと例えばメディア関係が弱かったり、強みだと組織かされたボランティアチームがある、というところが浮き上がってきます。

 

人々を巻き込む5つのポイント:疲弊させないこと

今回は特にインターン、ボランティアのつながりにスポットを当ててはなしていこうと思います。巻き込みのポイントとして大切にしていることが5つあります。

まず、一番大事だなぁ、と思うのは「疲弊させないこと」です。

ボランティアとの関わりのなかでは、タスクを振りすぎてしまうことがあります。疲弊させてしまうと、途中で投げ出してしまったり、次からやってくれなかったりします。

疲弊することを避けるために、「仕事量のイメージをすりあわせること」に気をつけています。何をお願いするときでも、その作業にどのくらい時間が掛かりそうだ、とお伝えします。もしくは、相手にどのくらいの時間で関わることができるかを聴いて、仕事量をすりあわせていきます。

関わっていただく方に、「仕事のフローを共有すること」にも気を付けています。たとえばデザイナーの方とお仕事をする際に、「せっかくなのですが、いただいたデザインのキャッチコピー変えることになりました」という話になってしまうことがあります。こういった場合に、事前にどういう意思決定フローを私たちが持っているかを共有しておくと、仕事がスムーズになります。

続いて、「モチベーションを共有すること」。ボランティアやプロボノはひとりひとり、モチベーションが違うな、と感じています。その高低はもちろん、なぜ関わりたいのか。「自分の仕事のスキルを活かしたい」「アフリカのために何かしたい」など、人によって様々です。それをしっかりお聞きして、その人が納得できるお仕事をしていくようにしています。

 

人々を巻き込む5つのポイント:②誰を仲間にするかをきちんと選ぶ

巻き込む上で大切にしている2つ目のポイントは「誰を仲間にするかをきちんと選ぶ」ことです。

そのためには、「むやみやたらに仲間にしない」というのを大切にしています。NPOらしくはないかもしれませんが

たくさん失敗事例があって、この気付きに至っています。たとえば、ボランティアになりたい!という方にすごく頑張って団体の説明をしたけれど、結局その人が手伝ってくれなかった、ということがありました。まずは相手の話を聞いて、どのように関わってくれるかを判断しないといけなかったんだと思います。

「相手のモチベーション、要求に応えられるかを考えること」も大切です。どれだけすばらしいプロボノでも、もしも団体の中に仕事がないなら、泣く泣く断るしかないと思います。「なんとなくいるだけの人」になってしまいます。

最後に、「相手はこちらの要求にこたえられるか」を見ています。これは非常に大切で「やる気はあるけど、技術はない。でも、技術的なことはしたい」という方も中にはいらっしゃいます。適正なクオリティで私たちの仕事をこなしてくれるのか、という点は双方のために大切です。

その意味で、こちら側がきちんと力量を図ることが大切ですね。とはいえ相手に「私はこれができます!」とプレゼンしてもらうのは不親切なので、こちらから力量を判断する基準だったり、用意のようなものが必要だと思います。

PLASはウェブからもプロボノ申し込みができるようになっています。これはけっこう面倒で、大抵の人はやめてしまうかも、というものになっています。応募したきっかけ、勤続年数、どういった実績があるのか、何を担当してどういう成果を出してどういう関わりをしたのか。そういうことを事細かに聞いています。

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私たちの方で「この方いいな、手伝ってほしいな」と思う人がいれば、見せられる範囲で成果物を見せていただいて、どこを手がけたのかを具体的に尋ねるようにしています。これをやると10人に1人くらいしかお手伝いしてもらえないんですが円滑にやるためには、プロボノに関してはこうなるしかないのかな、と思っています。協力を申し出てくださった方が、プロボノには合わなそうな場合は、ボランティアなど、他のつながり方も提案しています。

 

人々を巻き込む5つのポイント:③横のつながりをつくる

プロボノやボランティアとのコミュニケーションでいうと、「横のつながり」がとても大切です。最近すごく感じています。

職員プロボノというコミュニケーションを取るのが一般的だと思いますが、それをやるとかなり忙しくなってしまいます。会社勤めの方だったりするので、コミュニケーションを取ろうとすると、どうしても職員の時間が遅くなってしまったり。

プロボノとのコミュニケーションでいうと、できればプロボノやボランティアを組織化して、そのなかでコミュニケーションを持ってもらうことが理想的です。23人のチームでもいいので。うちの場合でいうと、人を集めてキックオフをすることを心がけています。最初の時点でチームができると、後々の共有が楽になります。

 

人々を巻き込む5つのポイント:④誰でも言える「場」づくり

4つ目は「誰でも意見を言える『場』づくり」を気をつけています。上から否定しないようにする、というのが大原則かな、と思っています。

たとえばボランティアで高校生が来る場合もなくはないと思います。彼らがせっかくアイデアを出してくれても「いや、それうちの団体もうやってるし」という話になったりもします。でも、そういうときに頭ごなしに否定しないで、どんな意見でも遠慮なく言えるような空気をつくるようにしています。

具体的には、「一番声の小さい人に最初に発言してもらう」。たとえば、入ったばかりのボランティアの人、インターンの人に、まず発言してもらいます。

もちろん、意見をいきなり出すのは難しいと思うので、5分くらい考えてもらって、その意見を紙に書いてもらうようにします。このとき、周りにいるメンバーに相談してもOK、というふうにします。

それで、一番最初に「声の小さい人」に発言してもらって、同じ意見だったら他のメンバーにも紙を出してもらいます。同じ意見の場合は、紙が集まっていくわけです。

このやり方だと、その人自身の自信にもつながって、ずっと黙ったまま会議が終わってしまう、ということもなくなります。

ただ、それをやると会議の時間が長くなるという懸念があると思います。うちの団体では「コメント」をさせないようにしています。たとえば、「団体のPRをするために、ホームページをつくった方がいいですよね」と誰かが意見を言った時に、「私もそう思う、他の団体ではね」と、同じ意見の違う表現がそこから5人くらいつづく、ということがあったりします(笑)

うちの団体では、同じ意見であれば「コメント」なので発言権なし、としています。あくまで違う意見を言ってもらう、まんべんなく喋ることができる雰囲気を作っています。

 

人々を巻き込む5つのポイント:⑤小さなリーダーをたくさんつくる

最後の一つが「小さなリーダーをたくさんつくる」。なるべくリーダーシップをもっていただき、ボランティアの方に自発的に動いていただく、というのが団体としてはありがたいと思います。

「これをこういう手順でやってください」と全部のボランティアに職員が付いていたらそれだけで疲弊してしまいます。ボランティアの人のなかに小さなリーダーが何人もいる状態につくるようにしています。

そのためには、ある程度の決定権を渡していくこと、これは「勇気を持って」行うことになると思いますが、権限委譲をしていくことが大切です。

あとは、しっかりモチベーションにあった「役割分担」をしていく。役割分担のところだけ職員が入ってやっています。そこに無理があると続きません。無理のない役割分担ができるかを確認して、そのあとはできるかぎり、こちらから惜しみなくフォローしていく。

以上の5点が、PLASで気をつけているボランティア・プロボノを巻き込むポイントです。